2016年05月02日

電殺失敗事例 家屋に入った鹿

電殺の失敗事例を公開して基礎情報としていただきます。

日時 2016年5月1日

概要 市役所の当直より、私の携帯電話に連絡ありました。
   民家の庭に大量の血を流した鹿が座っている。
民家 ⇒ 地元派出所 市役所へ連絡するように ⇒ 民家より市役所 ⇒ 市役所から私へ

対応 カゼで寝込んでいた私は布団の中で電話を受けました。
   民家の庭では鉄砲を使用できないので電殺が必要と判断し、ヤリ ヤリ の両ヤリ方式を準備。

現地 民家が数軒も接している、典型的な農村集落にある民家の庭の奥、屈曲した通路の奥。
   推定4歳以上の大きなオス鹿で、袋ツノが両方とも破れている。
   屋根のある土間の奥に座り込んで、こちらを見ている。
   ここでは血を流したり、殺さないでと奥さんからの依頼がある。

     電気で失神させて運ぶつもりだけれど、目を開けたままや、舌を出したような場面もあると、
     心理的な負担を少なくする配慮ある説明をする。

失敗 2m以上に伸ばした電気棒を静かに差し出すも、直近で鹿が起き上がる。あわてて刺すも間隔狭し。
   右と左の電気針は心臓をサンドイッチにできなかった。鹿は狭い通路を突進して逃走。

     あわてて電極を刺してしまい、心臓を挟み込む状態での通電ができなかった。
     右刺突電極 左刺突電極 両ヤリは同時に突き刺したつもりでも 通電遅れ が発生します。
     強烈な電気刺激となって、動けないほど失血しているにもかかわらず庭を駆け抜けて脱出。
     30mほど走って、隣家の庭に座り込んで大量出血して動けなくなりました。
   
感想 狩猟歴は25年以上あり、電殺器での使用実績を重ねて改良しています。
   袋ツノとはいえ、直接に近距離での接近は非常にコワイものです。

改善点 ネットなどで、逃走できない事前準備が必要であった。長い電気棒は狭い場所で扱い不適。
    1: ネットを被せて、近接しても危険でないように事前にすべきであった。
    2: 短い、1.2mの標準電気棒を使用すべきであった。

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    電殺器に関するホームページは以下のURLです。
    http://newfuel1.com/kariken/densatu.html

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狩研究会
posted by 狩研 at 18:33| Comment(0) | 電殺基礎資料
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